ようやく第23期(2020年6月)の決算が締まりました。
売上は前期比0.5%増の2億8700万円でした。経常利益は前期倍増の3300万円でした。チームXRが好調かつ、医療系の製品販売がようやくカタチになり始めたということで、今後に期待できそうな数字でした。
売上についていくつかの軸の分析をご紹介したいと思います。
まずは部門別集計です。
XR部門と医療福祉部門が大きく伸び、相対的にEC部門の比率が下がり50%を割りました。当社の新しい取り組みである、各種センサーや各種デバイスを活用したR&D的な受託開発の取り組みと、そのような取り組みの中で生まれたアイディアを医療系に適用して自社ブランドを作るという取り組みがようやく結実し始めました。
とはいえ、これからもEC部門は主力であり続ける予定です。とくにEC部門の中でもクラウドインフラの運用や決済に関するノウハウは、医療系の自社ブランドにも活用できると考えています。一部のプロジェクトではEC部門と医療部門で連携しているプロジェクトも動いています。昨今、EC関連案件でもセキュアなサーバおよびアプリケーションの運用が強く求められています。医療系ではECほどクラウドの活用は進んでいませんが、厳しめな要件のECで培われたノウハウがこれから必要になってくると思います。
次は地域別です。
当社は広島が本社ですのでこの地域別の売上比率はけっこう気にしています。やはり地域に貢献させていただきたいという気持ちは強いです。
結果としましては、広島および中国地方の比率は年々減少しています。ただし、実際のところ広島での売上が減っているというわけではありません。ITに関する新しい需要は首都圏が大きく、相対的に広島のお客様への売上は1割程度になっています。
次の分析軸は取引先区分です。
代理店様との取引が1%から5%に増えています。これは医療機器での取引になります。代理店様との取引は、まだ始まったばかりで試行錯誤です。当社としましては医療系のビジネスは飛び込んだばかりでしたが、代理店の皆様にアドバイスいただける点も多く、いっしょに当社の製品を育てていただいているというような状況です。
さて、2020年度はどのような年度になるのでしょうか。今年度は予想が付きません。
世の中全体で、リアル店舗が厳しくECの存在が大きくなっているという状況や、リアルでのイベントが難しい状況で遠隔での体験ということでXRに注目が集まっているという流れもあり、当社としてはそれなりに受注できています。
一方で、医療は厳しい状況になっていると思います。当社にとって厳しいというより、社会全体にとって厳しい状況かと思います。治療の必要のある方にとって、病院にアクセスしにくくなる状況、精神的励ましを必要とされている患者さんにとってお見舞いが許されない状況、そういったことがボディーブロー的に医療を困難にしているのではないかと思います。そういった中で、私たちにも何かできることはあるのではないかと思います。
当社のミッションは優れた技術を紹介して活用していただくお手伝いをすることです。現在のこの状況こそ、私たちが持てる力を発揮しなければならない状況なのではないかと思います。