今日は、東京から広島本社に戻る途中に大阪で下車して、メディカルジャパン大阪に行ってきました。
目当てにしていたのは、人間ドック学会の理事長をされている篠原幸人先生のお話なのですが、パネルディスカッション形式で堀江貴文さんと、堀江さんが理事をされている予防医療普及協会の顧問をされている間部克裕先生がご一緒ということで、コロナ騒ぎの中ですがあまりにも聞きたくて行ってしまいました。しかし、さすがに人が少ないです。開催中とは思えない。
タイトルは以下です。
<パネルディスカッション> 治療から予防へ ~予防医療が実現する未来社会~
https://reed-speaker.jp/Conference/202002/medical/top/?id=MD
間部先生のお話しでは、ガンのうち、肝臓がんのみ肝炎の対応が進んだので死亡件数が減っているものの、胃がんや大腸がんではお隣の韓国では対策が進んでいるのに日本では進んでいないというお話が印象に残りました。堀江さんもピロリについては著書も出されていますね。着手しやすい予防医療なのに、なかなか進んでいないという現状を認識してほしいということでした。
篠原先生のお話しで印象に残ったのは、人間ドックは予防医療なのか?という点です。人間ドックでは確かにガンなどの早期発見に役立つわけですが、早期発見=予防医学なのか?といえば、間違いではないが、それが全てではないとのことでした。川に落ちたばかりの人を助けるほうが、流されておぼれかける人を助けるより助かる確率は高いが、そもそもなぜ川に落ちるのか、落ちないためにどうすればいいか、ということが予防だと説明されて、なるほどそうだなと思いました。そこで人間ドックが狭義な意味で人間ドックであるためには、教育や指導により生活を改善させるといった機能が必要だとのことでした。
当社も昨年は人間ドック学会に出展しまして、今年も出展を予定しております。当社の製品の鑑に関連して、運動機能について取り組まれている先生方とお話しする中で、運動機能こそ、まさに川に落ちてしまってからの改善は大変で、そうならないためにどうすればいいのかということが重要なのだと思うようになりました。人間ドックとロコモ対策の取り組みはまさにこれから必要とされているものだ感じます。
最後に堀江さんと3名でのディスカッションだったのですが、もちろんコロナ対策のことから入りますよね。異論もあり炎上もしてますけど、予防方法が確立されている病気を予防しないのにコロナだけを極端に恐れるのは矛盾している、とおっしゃる堀江さんはブレがない人だと思います。予防医療の啓蒙に取り組まれているという文脈を知れば、思いつきの発言ではないことは分かると思います。
コロナ対策も重要ですけど、予防医療についてそのくらいの熱量をもってやってほしいと、予防医療に携われている方はそのように感じられるのかもしれません。
糖尿病も進めば下肢の切断や透析が必要な状態になりますが、2型の場合は運動によって改善するわけですが、足が真っ黒になるまで何もしない。お医者さん曰く「彼らは自分のことに興味がない」と言われて唖然とした、ということでした。それで堀江さんは物議を醸すかもしれないが糖尿病のホラー映画を作ろうと思っているとのことでした。これは常々おっしゃっていますね。
パネラーのお三方とも、予防医療の普及のために教育や啓蒙活動が重要とのお考えでしたが、それだけではなかなか難しく、制度として予防することのインセンティブと、予防しないことのペナルティを設けなければなかなか国民の行動は変わらないのではないかというご意見でした。
今後とも、人間ドック学会と予防医療普及協会の動きはフォローしていきたいなと思いました。