【社長日記4】富士通の体操採点システムがすごく気になる

少し前の話になるのですが、5月に東京国際フォーラムで開催された富士通フォーラムに行きました。

かなり前にどこかの新聞で、富士通が3Dセンサーを利用して体操の採点システムを開発しているという記事がありまして、ずっと興味があったのですが、今年の富士通フォーラムでは『国際体操連盟が正式採用した「AI自動採点システム」はスポーツ界をどう変えるのか』というタイトルのセミナーがあり、これはぜひとも聞きに行かなければと思いまして行ってきました。

体操の自動採点はどう考えても、ものすごくハードルが高いシステムだと思います。赤外線センサーなどで選手をキャプチャーするということにしても、センサーから選手までの距離もあるし、床などであればかなり広いゾーンを移動することになるし、あん馬や跳馬は障害物もあるので、すべての演技をキャプチャーすることが難しいと思うのです。そのような中で、素早い動作で縦にも横にも360度回転しまくる人間を演技の最初から最後までモーションキャプチャするのは想像を絶する困難だと思うのです。

そのようなわけで、開発しているというニュースから、2年くらいでしょうか、、「国際体操連盟が正式採用」という発表になって本当にびっくりしました。

富士通さんのメルマガでその時のセミナーの内容がブログに掲載されているということでしたので、紹介したいと思いました。

https://blog.global.fujitsu.com/jp/2019-06-28/01/

なるほどと思ったのは、あん馬を評価するときに、技がどこから始まってどこで終わるのかを判定するのが難しいということや、まっすぐということを170度と定義するのが大変だったといったことです。詳しくは上記のブログを見てほしいのですが、一連の動作の中から評価したい動作の抜き出し方とか、正しい姿勢とは何かとか、そういったものは情緒的な言葉でしか定義されていないものを、3D上の数式で定義することとかはこれまで誰もやってこなかったことなので難しいことだと思います。

当社もKinectでリハビリテーションの動作を計測するシステムを開発していますので、すごく共感しました。もちろん、リハ室の患者さんの動作と、キレキレのアスリートの本番演技では次元が違います。こういうハイエンドの技術が安くなっていろいろな施設で使えるようになれば素晴らしいなと思いました。このセンサーってどれくらいの性能なのかな、と思って聞いていたのですが、1秒間に約200万回レーザーで計測しているということでした。まさか1秒間200万フレームということはないと思うので、センサーの画素数とフレームレートを乗じたものなのではないかと思うのですが、KinectだとDepthは20万画素で1秒間30フレームなので、600万回という表現になってしまいます。体操だったら1秒間300フレームくらいは欲しいのではないかな、と思うので、200万という数字はどういう意味なのか、そこは気になりました。

そのセミナーは最初に富士通の山本会長が自らお話しされて、本当に気合の入ったものでした。ロス五輪の英雄の具志堅さんと新体操の畠山愛理さんも登壇されていていろいろ楽しめるセミナーでした。余談ですが、私は一番前の席で聞いていたので、畠山さんがすごくきれいで感動しましたw

来年のオリンピックでは、体操競技の採点の表示がすごく面白いものになりそうでわくわくします。