【社長日記】介護現場のスタッフのモチベーションとDX

昨日、広島県DX推進コミュニティのセミナーにzoomで参加しました。
「みんなで深掘る事例研究」シリーズというもので、いろいろな広島の企業さんでのDXにかかわる事例を発表していただくという企画で、先月は私もシステムフレンドの取り組みを発表させてもらいました。

昨日、事例を発表してくださったのは、医療法人社団明和会の松原かほりさんです。この明和会さんは大野浦病院を中核とされていて、今回はサービス付き高齢者向け住宅(いわゆるサ高住)の「さくらす大野」でのICT見守り機器の導入によるDXと職員の働きがいへの影響というテーマでした。この「さくらす大野」も、明和会の大野浦病院も、わたしの実家のすぐそばなので、このような発表されるような取り組みがされているんだとしってちょっとうれしかったです。

話の内容は、ICTで業務がどのように変化したかということではなくて、それが職員の「働きがい」とどんな相関があるかということがテーマで、興味深い切り口でした。

職員の働きがいが取り組みそのものテーマなので、ICTの見守り機器を導入するにあたっても、まずは職員の事前アンケートを取り、導入・運用後にもアンケートを取って、業務への影響と職員の意識への影響を調査されました。見守り機器で通常業務をサポートする機能があるのだと思いますが、それ以上に入居者さんの記録を24時間1週間分がひと目でわかる形式で表示するという機能に反響があり、ある入居者さんについて介護保険を利用したらよいのでないかとご家族と相談していたもののなかなか前に進まなかった話が、取得できたデータを見ると24時間のうち日中も含めてほとんどの時間をベッドの上で過ごされているという実情がひと目で分かるようになり、それによってご家族と入居者さんの状態についての認識が合致して介護保険の利用なども奨められ、また職員間でもケアの方法について改善案が積極的に検討されたそうです。

これこそDXなのだろうなと思います。かかわる人々が感覚的に感じていたことが、デジタルデータになったことで明確な事実として共有され、そこからより良い選択ができるようになったり、新しい取り組みへのアイディアが生まれたりしています。

モチベーションに関するアンケートでは、職員間で情報共有しやすくなり、それは働きがいの部分でも職場の人間関係や一体感の向上に寄与したり、自分の仕事について前向きな気付きやさらなるチャレンジへの意欲に繋がっているという、調査結果が得られているそうです。

当社製品の鑑AKIRAも介護の現場でデータを扱う製品ですので、現場のスタッフの皆様のモチベーション向上に繋がっているかという尺度でもご意見を聞いてみたいと思いました。そのためには導入前と導入後のアンケートを取ること必要がありそうです。

鑑AKIRAには通所リハでの運動器機能向上訓練の際の体力測定用のコースがありまして、現場のリクエストにお応えして、単に片足立ちやTUGの時間という数字だけでなく、そのときの姿勢や軌跡なども見えるようにしています。利用者さんに説明するときに便利が良いし、報告したケアマネからも評判はよいと聞いています。とはいえ導入前は、そういったDXについて知らないが故の苦手意識のようなものもあると思いますが、導入後はどの程度意識が変わるのかといったことも調べてみたいです。そして、この製品がそこで働く方々の働きがい向上にも役に立っているのならうれしいですし、足りない点があれば改善して介護現場の働きがい向上という尺度でも役立つ製品にしていきたいと思いました。

広島県DX推進コミュニティの事例研究シリーズですが、毎回、それぞれに深い話が聞けますので、お勧めです。また広島でDX関連の製品を販売しようと考えていらっしゃるベンダーさんとかも、広島の地元の企業の等身大の話が聞ける機会でもありますので、参加してみるとよいのではないかと思いました。とくに今回のお話しでは、見守りシステムのベンダーさんの果たした役割も大きかったと思います。

広島県DX推進コミュニティ(無料で参加できますので、ぜひどうぞ)
https://hiroshima-dx.jp/

(当社を紹介した会の後記 手前味噌でございます)
https://hiroshima-dx.jp/pages/159/